Magic Rules TipsよりJeremy Fainの“Watcher in the Web – How blocking multiple attackers works”の翻訳です。複数体の攻撃クリーチャーを複数体のクリーチャーでブロックしたときの挙動を解説しています。複数体でダブルブロックしたときのダメージの割り振り、正しく行えますか?
原文はこちら《百手巨人/Hundred-Handed One》じゃないけれど、《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》は印象的なカードだ。8体の攻撃クリーチャーを到達持ちの2/5クリ―チャー1体でブロックしたいときにうってつけの蜘蛛だね。こういう、ルールを変更するカードというのは当然ながらややこしいものなので、今日の記事ではその解説をしよう。
《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》が複数体の攻撃クリーチャーをブロックしたとき、各攻撃クリーチャーは通常通りダメージを与える。例を挙げよう。2/2のゾンビ・トークンと2/2の狼・トークンと1/1のクレリック・トークンをブロックしたなら、《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》は5点のダメージを受ける。また防御プレイヤーは、《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》がダメージを与える順番を宣言する。さながら、攻撃クリーチャーが複数体でブロックされたときのように。例の状況で、狼、ゾンビ、クレリックの順番でダメージを与えることを防御プレイヤーが選択したとしよう。ダメージが割り振られるとき、順番が前のクリーチャーに致死ダメージを割り振らないと、次のクリーチャーにダメージを割り振ることはできない。今回の例では、《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》は狼に2点、ゾンビとクレリックには0点という割り振りしかできない。
別のケースを考えよう。攻撃プレイヤーは4/4の天使・トークン2体で攻撃している。防御プレイヤーは2体の《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》で、両方の天使・トークンを2体ずつでブロックした。2体の天使・トークンはそれぞれ、2体の《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》でブロックされているというわけだ。さあ、どうなるだろう?実のところ、さっきと大した違いはない。攻撃プレイヤーはそれぞれの天使・トークンがダメージを与える順番を宣言し、防御プレイヤーはそれぞれの《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》がダメージを与える順番を宣言する。
では今度は、2/2の狼・トークンと2/2のゾンビ・トークンと、トランプルを持つ4/4のビースト・トークンで考えよう。トランプルで防御プレイヤーにダメージを与えることはできるだろうか?致死ダメージが割り振られるとき、考慮しなければいけない点が3つある。
先の質問の答えは「イエス」だ。この戦闘で、《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》には合計で8点のダメージが同時に割り振られるので、3点はトランプルで防御プレイヤーに与えることができる。
ドラフトやシールドのイベントで、《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》を見かけることは多いだろう。そうでなくとも、複数の攻撃クリーチャーを1体でブロックする方法は知っていて損はない。この記事が難しい問題を解く手助けになるだろう。
Jeremy Fain, L2ジャッジ カリフォルニア州 タスティンより
訳者追記
より複雑なダメージの割り振りでお悩みの方へ。
510.1e プレイヤーが自分のコントロールする攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーからの戦闘ダメージを割り振ったなら、(各個の攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーのダメージ割り振りではなく)そのダメージの割り振り全体が上記のルールに則っているかどうか確認される。則っていなければ、戦闘ダメージの割り振りは不適正であり、ゲームは戦闘ダメージ割り振りの直前に巻き戻される。
マジック総合ルールより