Whats Up, Docs?よりKevinDの“Miscommunication (yes, again)”の翻訳です。宣言の聞き間違いについて、前回に引き続き更に説明しています。

原文はこちら(2017/7/13付)


What’s Up Docs?へようこそ。

この記事(未翻訳)ですでに発表したとおり、先日プログラムコーディネーターを辞任した。その理由の一つは、What’s Up Docsでトーナメントやポリシーについて楽しく話すための時間を確保できなかったからだ。自分の生活の《均衡の復元/Restore Balance》に時間が掛かってしまったけれど、明日パリに引っ越すために、家具を撤去する作業の合間にこの記事を書いているということは良い傾向だろう。 さて、この数ヶ月間に私が参加したGPで起こった面白いことについて話そう。コミュニケーションエラーだ。

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あまりにも似ている名前

今まで何度かこの話題について話したが、今回のケースは私が対応しなければならなかった中で最も印象に残ったものだ。

状況

APはNAPの《療治の侍臣/Vizier of Remedies》を対象に《流刑への道/Path to Exile》を唱えた。この時、口頭で対象を述べただけだった。NAPは対応して《臓物の予見者/Viscera Seer》を生贄に捧げ、占術をした。その後APはターンを終了し、NAPのターンに入りNAPはアンタップしてカードを引いた。その時、なぜNAPの《療治の侍臣/Vizier of Remedies》がまだ戦場にいるのかとAPは尋ね、ジャッジを呼んだ。

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調査

なぜ《臓物の予見者/Viscera Seer》が対象に取られたと思ったのかと私はNAPに尋ねた。手振りでしか対象が示されなかったことと、APの発言が“Seer”(Vizierと第二音節が似ている)に聞こえたことをNAPは理由として挙げた。それを聞いて私は戸惑った。《療治の侍臣/Vizier of Remedies》を対象にとるのが定石なので、《臓物の予見者/Viscera Seer》が対象に取られたことをおかしいと思わなかったのかとNAPに尋ねた。NAPは自分のデッキに《臓物の予見者/Viscera Seer》が1枚しか入っていないことを主張した。《療治の侍臣/Vizier of Remedies》を失うとたしかに無限マナを生み出すことができなくなるけれど(おまけにちょうど、さっき唱えた《献身のドルイド/Devoted Druid》が戦場にいる)、今はそのマナを使ってすることがないし、彼はすでに7マナも生み出せる。つまりこれ以上のマナは必要ないので、彼は占術をする必要があった。 私はNAPのデッキの中に《永遠の証人/Eternal Witness》が入っていることを指摘した。NAPはそれ認めたが、それよりも《療治の侍臣/Vizier of Remedies》のほうがライブラリーに残っているとNAPは言った。つまり、1枚しか入っていない《臓物の予見者/Viscera Seer》を生贄に捧げさせることが、APにとって都合の良いプレイだ。 これまでの推論の大部分は、文脈上読み取れるが、APにはたどり着けない可能性が高い。しかし、これは少なくともNAPが《臓物の予見者/Viscera Seer》を対象にとられたと思った理由の説明としては妥当だと思った。

APも口頭でしか対象を宣言していないことを認めたし、NAPが使っているデッキに対しては《療治の侍臣/Vizier of Remedies》を対象にとるべきだと知っていたことも認めた。NAPのターンに入ってドローするまでの間ずっと《療治の侍臣/Vizier of Remedies》が戦場にいたことになぜ気がついていなかったのか、私はAPに尋ねた。APは特に気にしていなかったと答えた。

NAPが全体的にゲームの状況を理解していることはよく分かったし、私はNAPの発言と実際のデッキを照らし合わせることもできた。NAPの考え方は戦術として理にかなっていた。その戦術は最適ではないかもしれないが(もしかしたら最適かもしれない)私には特に大きな穴が見つけられなかったので、NAPの行動は故意の違反ではないと結論づけた。

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裁定

故意の違反の可能性を除外したので、ゲームを再開させる方法を考えよう。部分的な修正はしてはならないし、NAPの手札は4~5枚で戦場にはフェッチランドもあるので、巻き戻しはとても厄介だった。もし巻き戻すとしたら多分、“ミニ”《渦まく知識/Brainstorm》をさせていただろう。 しかしそれとは別に、この状況は誰に最も責任があるのかを考えた。

  • NAPはAPの指示を正しく行わなかった。
  • APは対象を口頭で伝えたが、正確なカード名でなかった。
  • APは対象を物理的に指し示さなかった。
  • APはNAPの次の一連の行動までに異変に気づかなかった。
    • 占術
    • アンタップ
    • ドロー

想定された行動をNAPが行わなかったことは認めるが、APはゲーム中に何が起きているのかを確認することを怠ったように思える。NAPの違反は故意の違反ではないと判断したので、このゲームの状況の責任はAPにあると考えられるため、、ゲームをこのままにすることにした。つまり、ずいぶんゲームが進むまで誤りを指摘しなかったことと、宣言が不明瞭だったことから、APは《臓物の予見者/Viscera Seer》を対象にとったとみなした。APが明確にそうしたわけではないが、彼自身の行動が今のゲームの状況を作り上げたのだ。

その後

再開した後については特に何も言及することはない。この裁定は間違っていないと思っている、少し違う状況下では、フェッチランドのせいでうまく巻き戻せない可能性が高くても、巻き戻しを試みたかもしれない(もっとも、フェッチがあると巻き戻しは絶対にできないというわけでもない)

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ターンを開始するのが早すぎる

もう一つとても興味深いコミュニケーションエラーについて話そう。私はこれをとりあえず巻き戻すことを選んだが、普段はそうすることはよくないと言っている。(日本語訳はこちら)

状況

APはアップキープに 《造命師の動物記/Lifecrafter’s Bestiary》の占術を解決し、“何か”を言った。NAPは《守られた霊気泥棒/Shielded Aether Thief》の能力を起動してカードを1枚引いた後、自分のライブラリーから更にカードを引こうとした。この時点でAPはNAPを止め、NAPになぜ2枚目のカードを引こうとしているのか尋ねた。NAPは自分のターンのドローだと言ったので、彼らはジャッジを呼んだ。

調査

まず最初に状況を確認した盤面は膠着していて、APには9つの土地と7枚の手札があった。APが何もせずにターンを返したとなぜNAPは思ったのか私は不思議に思った。 先にNAPの問題から解決しようとした。NAPにはAPが「ゴー」と言ったように聞こえたようだが、これまでのターンのAPの行動を考えると、それは筋が通っているように見えた。APはクリーチャーを唱えることもあれば、呪文を構えてターンを返すこともあったのだ。NAPにはAPがインスタントをたくさん持っているように見えた。二人共ほとんど攻撃しておらず、それはライフメモからも見て取れた。 APは「ドロー」と宣言したと主張し、盤面からもアップキープの誘発を解決したことが伺えたので、それも筋が通っているように見えた。APが攻撃することは困難とはいえ、NAPがAPのアップキープに《守られた霊気泥棒/Shielded Aether Thief》の能力を起動したことをおかしいと思わなかったのか、私はAPに尋ねた。APの答えを正確には覚えていないが、相手のミスだと思ったという感じの、とても説得力があるものではなかった。

裁定

占術した後、APがドローをしてもよいか尋ねることは納得のいくことだが、NAPがアップキープに《守られた霊気泥棒/Shielded Aether Thief》の能力を起動したことを、APが確認しなかったことは納得がいかない。違反ではないようなことにそこまで注意を払う必要がないとはいえ、今回のケースでは「アップキープにするの?」という疑問を持つべきだろう。

両方のプレイヤーが同意しているこれまでのターンの状況に基づいて、NAPには「ゴー」と聞こえたということは理にかなっている思う。しかしこのターン、APがまだドローをしていなかったという事実には私は戸惑った。NAPはそれについて、特に注意を払っていなかったし、「ゴー」と聞こえたので起動したと言った。故意の違反だとは思わないし、一方のプレイヤーにより間違いに対する責任があるとも思えなかった。仮にAPが、NAPにもっと厳格な懲罰が下らないかとHCE(昔ならGL)を期待していたならば、2枚目のカードを引くまで待っただろう。しかし、2枚目のカードを引く前に指摘したと言う事実はこれにそぐわない。 結局私は間違いが起きた時点まで巻き戻した。つまり、APのアップキープまでだ。私は《守られた霊気泥棒/Shielded Aether Thief》の能力の起動を取り消し、NAPの手札から1枚無作為にライブラリートップに戻して、APのターンを再開させた。

その後

これは私が今までに話した他のケースとは違い、プレイヤーの誰も間違いを犯していない状況の一つで、誰も間違いに対する責任を負わない。 巻き戻しはよく一方のプレイヤーを贔屓することと同様だと何度も言ったが、これはそうではないケースの一つだ。もちろん、NAPは“ミニ”《渦まく知識/Brainstorm》をしたが、すでに手札を多く持っていたのでその効果は弱いし、大した問題ではなかった。 この場合、NAPが2枚目のカードを引く前にAPは止めたが、もしNAPが2枚目のカードを引いたとしてもHCEは出さないだろう。今はドローステップだとNAPは思っているので、NAPは適切にカードを引いている。もしNAPがドローステップだと思っていないならば、その場合のは適切なペナルティはHCEではなく故意の違反だ。

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Kevin Desprez.

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