レベル2ジャッジになるための要件

Judge ArticlesよりJoshua Feingoldの“Writing L2 Recommendations”の翻訳です。L2推薦文の書き方を通して、L2ジャッジに求められる要件を解説しています。

原文はこちら

レベル2(L2)認定前インタビュー要件の中に、「L3以上のジャッジ一人から簡単な推薦文をもらう」という項目がある。しかし具体的にどのような推薦文を書けばいいのかはあまり説明されていない。L2候補生に試験を行うのは、おそらくグランプリやジャッジ・カンファレンスのような地域のイベントに出るL3ジャッジで、そのL2候補生と共に活動した経験が少ない者だろう。この記事は、L3ジャッジがL2候補生を試験する際の推薦文の内容について、例を挙げながら論じるものだ。なお、L2ジャッジによくある改善点について書かれた、ジャッジの査定評価に便利な記事があるので、そちらも参照されたい。( Reviewing up – Why is it so hard? Tournament Reports as Tournament Essays A Guide to L1 Post-test Interviews リンク先未訳)

地区のジャッジとしての素養

L3になろうとしているL2の評価には、「地域担当のジャッジとしての素養(Qualities of Regional Judges)」という便利な記事がある。明文化されてはいないものの、この記事の一部をL2候補生の素養として当てはめることはできる。以下に、L2推薦文で言及してほしい事柄を列挙する。

チームワークとコミュニケーション能力

L2チェックリストによると、候補生には「少なくとも2つ以上の主催者または店舗との関係を築く」ことと「複数のジャッジが参加する高レベルなイベントにおいて少なくとも3回以上ジャッジをする」ことが求められている。これはつまり、次の事を意味する。

  1. ジャッジは大きな大会のために、地元のショップから遠く離れてところまで出向いていく。
  2. そうすることを、ジャッジも大会主催者も求めている。

推薦文には、そのジャッジが大会主催者やプレイヤー及び他のジャッジとどのような関係を築けているかを記述するといい。書き方のサンプルを挙げておこう。

『ケンタロウは、一緒に働いていて気持ちが良いジャッジです。プレイヤーとの関係も良好です。彼は地域のあらゆるショップとも充分な関係を築けており、そのうち3店舗においてはフロアジャッジとして活躍しています。あるショップのオーナーは、彼がレベルアップしたら是非とも一緒にGPTやPPTQを開催したいと述べていました。』

ルールやポリシーの理解度

L2チェックリストによると、L2試験を受ける前に、L2プラクティス試験において70%以上の成績を収めることが求められている。この模擬試験によって、ルールとポリシーに対する理解力が要求水準に達しているかを確認できる。言い換えると、ルール問題を正確に解き、ルール適用度(REL)が一般及び競技の大会における違反の処置を正しく行うことができるかが分かる。しかし、ポリシーに対する理解度をペーパーテストで正確に測るのは困難である。だからこそ、推薦文のコメントでその点を補うことが好ましい。

『テルヤは、ルールとポリシー全般に対して深い理解があります。レガシーの特殊なケースでは時折つまづくことがありますが、スタンダードとモダン(と、ごく一般的なレガシー)の範囲についてはモノにしています。また、マジック違反処置指針(IPG)もよく理解しています。その他一般のゲームルール抵触行為(GRV)においては格上げ・格下げで躓くことがありますが、追加措置に関しては充分な知識と理解があります。他のL2のサポートなしでジャッジ・コールに対応することができるでしょう。』

ジャッジの教育と改善

L2チェックリストには、「複数のジャッジが参加するイベントでトーナメント・レポートを書いてもらうこと」や「建設的なフィードバックができることを示すために、ジャッジ・センターで他のジャッジへのレビューを3本書くこと」という項目もある。いくつかの地域では、記事を投稿することでトーナメント・レポートの代わりとすることができるが、驚くことではないだろう。記事もレビューもトーナメント・レポートも、教育や改善のための文書であり、他のジャッジが自己を高めるのに役立つものだ。L2になった暁には、新しいL1を認定して育てていくという責任が生じる。そのL2候補生は、新しいL1に適切な指導ができるか、意義のあるフィードバックや改善案を出すことができるかどうかを、推薦文で確認したいのだ。

『ユウキは私のレビューを2本書いてくれました。1本目はとても短いもので、大したことは書かれていませんでした。しかし先日書かれた2本目は細かいところまで詳しく書かれた具体的なもので、特にイベント中に私たちが話し合った改善点についても触れられていたのは見事でした。また、トーナメント・レポートは彼にとって初めての中規模イベントについて書かれたもので、そのイベントで彼が初めて適用したポリシーに焦点を当てたものでした。初めてREL競技のイベントに参加する他のL1ジャッジ2人にもこのレポートを読ませました。』

ジャッジ・プログラムの構造とその方針

ジャッジ・プログラムの全範囲を目にかけることはL3の大事な務めだが、L2になったばかりの者については話はもう少し簡単だ。新人L1のあり方についての筋の通った自分の意見を、L2になったばかりの人が持っているだろうか?L1の認定が出来るようになったなら、他のジャッジや候補生に指導できるようになるにつれて、そのような意見が自分の中で確立されていくものだ。

『私はユウヤと、L1になることがどいういう意味を持つかについて語り合いました。一般ルール適用度用ジャッジ法(JAR)を理解し、FNMにおけるどんな細かな裁定でも投げやりにすることのないよう努めるものであって欲しい、わがままであってはならないというのが彼の意見です。妥当なところだと私は思います。』

大会の運営と後方支援

チェックリストの締めくくり(あなたが書く推薦文の締めくくりではない)には、「3つ以上のハイレベルな大会を含む、6つ以上の公認大会でジャッジをすること。」とある。なぜこれが要求されているのか考えてみよう。なぜならL2はPPTQやその他の公認大会でヘッドジャッジを務められると想定されているからだ。大会を比較的速やかに進行させる方法を知り、求められる役割をこなすことがL2には要求されている。

『私は、地元のショップで開催されたシールドのGPTにプレイヤーとして参加しました。ショウタがヘッドジャッジで、参加者は19人でした。デッキチェックにやや時間がかかっていましたが、大会全体はとてもスムーズで効率よく進行しました。大会終了後に私は彼と、デッキチェックの時間短縮について話し合ったので、もう大丈夫でしょう。』

良いところ、至らないところ

これまで示してきた例は、どれも具体的な特性に関する好意的な評価のものでした。しかし全ての項目が高評価でないからといって、L2に推薦することが出来ないというわけではない。L2候補生に改善の余地があることは至って普通なことであり、問題ではない。もし誰かの試験をしていて、その人がL1になれる見込みがないとわかったら、話し合いをしてもう一度計画を立て直せばいい。デッキチェックを苦手としているのなら、スピードアップするためのテクニックを伝えて練習をつめばいい。緊張しやすい人でヘッドジャッジのアナウンスをすることが苦手なら、改善方法を話し合おう。L2を目指している人のためにL3が話し合いの場を設けることはありふれたことだ。そのような話し合いを促すことによって、あなたもそこに携わる全ての人々を支援することができるのだ。

レビュー

L2候補生は、ジャッジ・センターのレビューでとりあげてもらうことが推奨されている。このレビューは、リージョン・コーディネーターやL3ジャッジ及びL2候補生本人が読むものだ。もっともこれは、全ての地域において厳密に要求されているわけではないので、わざわざこのためにレビューを書く必要もないし、書いてもらわないとL2になれないというわけでもない。

推薦文を提出する前に本人と話し合って、内容の誤りや漏れがないか確認してほしい。これまでに述べたような話し合い(例えば、大会主催者のフォローや、L1に求められる要素についての会話)が出来ていなかったのなら、推薦文に要求されていることを理由にして、話し合う機会を設けるといい。

推薦文を書き始めた時点で、そのL2候補生がL2になるのはまだ難しいと改めて理解することもある。もしそうなった時はその気づきを元に、そのL2候補生に、推薦するために必要な改善点を伝えるレビューを書くことができる。具体的で実行可能なアイデアを述べたレビューは、その候補生の改善を促進する素晴らしい道具になるだろう。

終わりに

本稿は、L2試験を執り行うジャッジのみならず、推薦文を受け取ったジャッジにとっても、候補生の長所・短所を理解するための指針になるだろう。L2に求められる素養の各項目について新人L2にどれ程の能力があるかを想定し、主要な素養は推薦文で漏らさず言及するよう努めてほしい。必要な情報が足りなければ、補うよう努力してほしい。候補生は素養の全てにおいて完璧である必要はないが、なぜジャッジは向上し続ける必要があるのかということを、推薦文を提出する前に候補生に伝えない理由はない。最後に、推薦文を書くために行った全てをジャッジ・センター上で公表しよう。そうすることが、L2推薦文の書き方を形式化する一助となるだろう。L2推薦文の書き方についての理解が少しでも深まることを願う。より良い推薦文を書くことだけでなく、それを公開して可視化することにも価値がある。