Whats Up, Docs?よりKevinDの“Investigating Life Totals corrected to an incorrect number”の翻訳です。ライフを偽る違反についてです。実際のケースをもとに、ジャッジとしての違反の見つけ方や調査の手順などを説明しています。原文は2015/09/23に公開されたものです。

原文はこちら

ライフの総量の不一致はよくあることだ。ショックランドやペインランドはよく使われる。しかしプレイヤーは概して唱えたカードには注意を払うのに、マナを出した土地に対してはおろそかになりがちなので、ライフを数え間違える確率は高い。

つまり、このことを悪用される可能性もまた高いということだ。意図的にライフを数え間違えることは、(ほとんど)故意の違反である。

自分のライフに関する故意の違反

GPプラハでのケースから見てみよう。APは《森》と2枚の《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》をコントロールしている。彼のこれまでの行動は以下の通りだ。

  • 1ターン目:《思考囲い/Thoughtseize》
  • 2ターン目:《胆汁病/Bile Blight》
  • 3ターン目:《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》

APがターンを渡した後、対戦相手が「そちらのライフは14ですね」と言った。NAPがアンタップしている間に、APは自分のライフメモに13と書かれているのを、14に書き直した。

調査

この状況に直面したら、マナベースから計算するにどうやってもAPのライフは13になることがわかるだろう。対戦相手のカードも含めて、APがライフを得られるものはなかったので、APは次のようにして7点ライフを失っているはずだ。

  • 《思考囲い/Thoughtseize》のための《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》から1点
  • 《思考囲い/Thoughtseize》で2点 《胆汁病/Bile Blight》のために《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》から2点
  • 《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》のために《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》から2点

なぜ正しい13を誤った14に書き直したのかと尋ねたが、はっきりとした答えは返ってこなかった。ライフを数え間違った、対戦相手が正しいと思い込んでしまったのだということを彼は言いたかったようだが、疑わしい点がいくつかあった。

  • 第一に、APが13を14に書き直すのは素早かったので、対戦相手の発言に疑問を持たなかったということだ。通常、プレイヤーの間で見解が一致しない場合、どちらが正しいのか話し合うものだ。
  • 第二に、最初の2ターンの行動、特に《胆汁病/Bile Blight》をプレイした時に2点のダメージを負っていることから、自身の土地2枚がペインランドであり、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》をプレイするには2点のダメージを受ける必要があることをAPは認識している。

結論

これら二つの要素から、APの主張は極めて弱いか無いも同然とみなされる。ここで、故意の違反の三つの要件を再確認しよう。

  • そのプレイヤーが意図して違反を犯している
  • そのプレイヤーは自分がルールを破っていることを理解している
  • そのプレイヤーが自分の行動で有利を得ようとしている

ゲームの流れから、APは意図して違反を犯していることは明白だ。素早くライフを書き直したことから、自分が何をしているのかを理解していながら、APはライフを1点増やすチャンスを見逃さなかったのだと私は判断した。その行動で有利を得ようとしたということだ。そして、APがルールを破っていることを自覚していたかに関していうと、ライフを正しく記録する必要があることをAPが理解していないはずがない。

以上の論理で、APは「非紳士的行為 — 故意の違反」で失格となった。

対戦相手のライフに関する故意の違反

GPプラハでの別の例も見てみよう。7勝2敗のプレイヤー同士で第8ラウンド、3ゲーム目の延長ターンの話だ。

APはライフが24のとき(これには両者とも同意していた)、《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》をプレイした際に誤って「22になります」と言い、またライフメモにもそう書いた。NAPは少し躊躇った後、25と書いていたのを22に書き直した。

調査

インタビューの様子はつぎのようなものだった。

  • ジャッジ:対戦相手のライフが22ではなく25だとわかってましたね?
  • NAP:はい。
  • ジャッジ:ジャッジを呼ぼうと思いませんでしたか?
  • NAP:思いませんでした。
  • ジャッジ:なぜですか?
  • NAP:延長ターンに入ってましたからね。手札はなかったし、デッキを見てもらえばわかりますが、例え《Demonic Tutor》を 何度か使えたとしても、もう私には勝ち目がなかったんです。負けずに延長ターンをやりすごすことさえできないでしょう。
  • ジャッジ:そこに疑問があります。だとしたらなぜもっと早く投了しなかったんですか?
  • NAP:正直言って、それがよくわからないんです。でもこの会場がすごく暑いので、たぶんそうするべきだったし、そうしていれば少なくとも外の空気を吸いに行けたでしょう。

私は卓に行ってAPのデッキを確認した。それは青黒のコントロールデッキで、確かに《Demonic Tutor》を何度使っても勝ち目がないことを確認した。

結論

故意の違反の三つのルールに照らしてみると、このケースは二つ該当する。彼はルールを破ったし、またそのことを理解していた。しかしながら、三つ目の要件は当てはまらない。このプレイヤーはそのことで利益を得ようとしたわけではない。違反をしても、勝ち目が全くなかったからだ。その行為に悪意はなく、ただ不注意で軽率だったというだけだ。軽率な人間と故意に違反をする人間は同一ではない。

一般論

これら二つのケースはどちらも、対戦相手がライフの宣言を間違えたことに端を発している。プレイヤーはそれを聞いて、すでに書いていた正しいライフを対戦相手が述べた誤った値に書き直している。自分のライフが増えるか対戦相手のライフが減るかの違いはあれど、どちらも自分が得する動きだ。

これらの状況は非常に重要で、必ず調査を行わなければならない。調査したほうがいいとか調査すべきとかではなく、しなけれなならない。ライフの総量を操作するのはとても簡単な違反で、仮に故意ではなかったとしても、それが起きた時点で問題を解決するほうが、後のゲームを決定づける戦闘フェイズになってからやるよりずっといい。

これらのケースは、見つけるのがかなり難しい。ジャッジがゲームを観察しており、ライフの間違いに素早く気づけたから発見できたケースだ。一つ目は私の、二つ目はBaert氏のケースだ。すぐに私を呼んだことが良かった。

解決の手順

  1. プレイヤーがライフを書き直しているのを見かけたら、介入して両者プレイヤーに確認を取る
  2. 正しいライフを求める
  3. その間違いから利益を得るのは誰かを素早く判断する。書き直したプレイヤーか?その相手か?
  4. 書き直したプレイヤーだったなら、他のジャッジを呼んでその卓を見ていてもらい、自分は直ちにヘッドジャッジを呼びに行く

Kevin Desprez

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